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[ 商品番号:36650002 / 取次本 ]
「天皇学」入門ゼミナール
〜「天皇学」は、日本学! ――在来の「天皇史」から新たな「天皇学」への入門講座
[著者・編者] |
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所功 著 |
[出版社] |
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藤原書店 |
[初版] |
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令和6年8月 |
販売価格:
円
(本体価格 1,800円+税)
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〔定価: 1,980 円〕
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歴代の天皇は皇祖神の子孫と伝えられ、日本史上で政治的にも文化的にも大きな役割を果たしてきた。戦後教育の中で“天皇”という存在への問いは消されていたが、“天皇”を論じることなくして日本の歴史はない。 歴代天皇の主要な実績を平易に解説し、また最新の研究を補注し、補論では全天皇の略伝を紹介して、多様な「天皇学」への道を拓く“入門書の決定版”。
【目次】 まえがき――今なぜ「天皇学」か 本論の前に――「ミヤコ」の移り変わり
T古代――大和時代
1 神武天皇の東征と建国の理想 2 崇神天皇のもとで国内統一に前進 3 倭姫命と日本武尊の歴史的役割 4 神功皇后による遠征と摂政 5 雄略天皇=倭王武の内政外交 6 皇統の断絶を救われた継体天皇と手白香皇后 7 仏教を慎重に受容された欽明天皇
U上代――飛鳥・奈良・平安時代
8 推古女帝と摂政の聖徳太子による協力統治 9 画期的な「大化改新」を主導された天智天皇 10 日本的な律令体制を確立された天武・持統両帝 11 壮大な天平文化を具現された聖武天皇 12 危機を救われた孝謙=称徳女帝の宿命と苦慮 13 千年以上も続く「平安楽土」を築かれた桓武大帝 14 唐風文化にも和風文化にも精通された嵯峨天皇 15 聖代と仰がれる寛平の治をリードされた宇多天皇 16 永く仰がれる醍醐・村上両帝による延喜・天暦の治 17 好学の一条天皇と後宮、および内覧の藤原道長 18 親政と初の院政に励まれた白河天皇 19 難局を切り抜けられた「治天の君」後白河上皇
V中世――鎌倉・南北朝・室町時代
20 承久の変に殉じられた後鳥羽・順徳の両上皇と土御門上皇 21 鎌倉時代の両統迭立と花園天皇の御教訓 22 親政に励み倒幕を断行された後醍醐天皇 23 吉野と京都の両朝合体と後南朝・伏見宮 24 戦国の乱世にも皇威を護り通された乱世の天皇
W近世――江戸時代
25 徳川幕府と対峙し続けられた後水尾天皇 26 朝儀文化の復興に尽力された霊元天皇 27 中継ぎと後見の功績大きい後桜町女帝(上皇) 28 朝廷主導の皇威を回復された孝明天皇
X近現代――東京時代
29 近代的な立憲君主の明治大帝 30 貞明皇后と摂政宮の補佐をえられた大正天皇 31 「二十世紀の名君」と称される昭和天皇の帝王学 32 「平成」の理想体現に邁進された象徴天皇 33 多様な「水問題」の研究も熱心な今上陛下
〈補論〉歴代天皇の略伝 〈付録〉歴代天皇の略系図 あとがき――「天皇学」への展望
関連情報 「天皇学」への道しるべ 天皇に代表される皇室の在り方は、私ども一般国民の日本社会と重なりあっており、学ぶべきことの多い至高のお手本だと思われます。 現在の天皇・皇族たちが行っておられる事、皇居の内外に有形・無形の文化としてある物を、可能な限り広く知るならば、そこから日本(国民・社会)の本来的・理想的な在り様を考えるヒントもえられそうです。 天皇を知ることは日本と日本人を知る重要な手懸りです。その来歴(天皇史)を学ぶことによって、日本の国柄を深く理解する道も拓けるのではないかと思われます。 (本書「あとがき」より)
著者紹介 ●所功(ところ・いさお) 昭和16年(1941)12月12日、岐阜県出生(小田原市現住) 同41年3月、名古屋大学大学院修士課程(国史学)卒業 同61年9月、法学博士(慶應義塾大学、日本法制文化史) 令和元年11月、日本学賞(宮廷文化の史的研究) 職歴 皇學館大學文学部教員(9年間)、文部省初等中等教育局社会科日本史教科書調査官(6年間)、京都産業大学教養部→法学部・日本文化研究所教授(31年間)、モラロジー研究所教授(10年間)歴任。 現在、京都産業大学名誉教授、皇學館大學特別招聘教授、京都宮廷文化研究所特別顧問、國民會館理事など。 著書 (皇室関係書として前著『天皇の歴史と法制を見直す』(藤原書店)付録X参照)。他に『三善清行』(吉川弘文館)、『菅原道真の実像』(臨川書店)、『三善清行の遺文集成』(方丈堂出版)、『伊勢神宮』(講談社学術文庫)、『京都の三大祭』(角川ソフィア文庫)、『未刊論考デジタル集成』T(方丈堂出版)など。
補注筆者:久禮旦雄(くれ・あさお) 京都産業大学准教授 補論筆者:橋本富太郎(はしもと・とみたろう) 麗沢大学教授
令和6年10月14日付 6面
皇室の永続を願って 「ゼミ生」の輩出を
「天皇とは何か?」。この問ひに正しく答へるためには、歴史・文学・思想・芸術・法制・政治・経済・教育など、多岐に亙って広汎な分野から理解することが必要だが、さうした総合的な学問領域を本書では「天皇学」(皇室学)として提起する。
「まえがき」「あとがき」から察すれば、皇室が直面する危機的な状況を打開し、皇室の永続を願って、多くの人々が「天皇学」の入門として「天皇史」を学ぶことが必要であるといふことを著者は訴へてゐる。国家存立の基盤たる皇室の永続を願ひ、本書を手に取って「天皇学」の「ゼミナール」の門を叩き、一人でも多くの「ゼミ生」が輩出されることを願って已まない。
(皇學館大学研究開発推進センター准教授・佐野真人)
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